こんにちは、獣医師の伊藤です。
最近ブログの更新をサボりがちだったので、その分巻き返していこうと思います。
以前勤務医をしていた時何かで聞いた話で「長い時間説明したとしても、聞いている人は17秒以上経つと最初の方から忘れていく」というものがありました。
17秒という時間がが本当かどうかは謎ですが、その話を聞いた時に「長いこと説明しても覚えてられないんだな!自分もそうだ!覚えてられない!」と思い、それ以降、手短に話すようにしようと考えたりしていました。
それでも病気によっては色々と注意事項があったり、検査・治療の考え方が複雑なものだったり、場合によっては長くなることもままあります。
その上「あっ、そうそう、これも言っておかなくちゃな」と思って診察が終わった後にドアを開けて言うこともあり、結局長くなってしまっていけないと思っていたりするのです。
長く言いすぎると覚えてられないだろう、でも省きすぎて言い忘れても良くないだろう。
そのバランスを試行錯誤しているのが日常です。「今日1日の説明は全て100点満点だったな」と思ったことはほぼないです。
自分の体のことは実感としてよくわかっても、動物の事は自分とはそもそも体のつくりが違うのでなかなか実感しにくいというのがあります。
そういう時人間に置き換えてみたり、たとえ話をしてみたりして何とかわかりやすく出来ないものかと思っていたりもします。
人の話がすっと入ってくる話し方かどうかなんて相性もありますし、例えば同じ話を聞いていても人によって覚えているポイントも違っていたりします。
一概に「この言い方さえしていれば良い」というものでもないので、もともと口が上手いわけではない僕にとっては難しいところです。
資料をたくさん渡して後で読んでもらえばいいじゃないっていう考え方もありますが、一部の人を除いて大抵の人は読まないんじゃないかとも考えています。
僕も診察に使うものとかは別ですが、家の炊飯器の説明書とか逐一読んでないですからね。
時に注射1本よりも話術の上手さが動物を助けることもあるかもしれない。
そういうことを考えながら今日も明日もどう説明しようかと自分なりに考えています。