1. 混合ワクチン(犬、猫)
感染すると命に関わることもあるウイルスや細菌に対し、十分な抵抗力をつけるものが 混合ワクチンです。
犬の混合ワクチン
◎子犬への接種
生後間もない子犬は初乳を通して母親から免疫を譲り受けます(移行抗体)。
この免疫を持っている間は、病気にかかりにくいという利点がありますが、同時にワクチン接種をしても効果を得にくい時期でもあります。
子犬のワクチン接種は、この母親譲りの免疫がなくなる時期を待って行わなければなりませんが、時期は子犬によって個体差がありますので、2〜3回、又はそれ以上のワクチン接種をする必要があります。
病気を防ぐ為のより確実な接種時期は獣医師にご相談ください。
一般的には、大人になるまでに2~3回、大人になってからは年1回のワクチン接種が必要です。
当院では生後8週齢前後に1回目、12週齢以降に2回目のワクチン接種を行います。
◎成犬への接種
年に1回のワクチン接種が必要です
★当院では5種、6種、8種ワクチンを用意しております。
- 6種
- アデノウイルスⅡ型・コロナウイルス・ジステンパー・伝染性肝炎・パラインフルエンザ・パルボウイルス/dd>
- 10種
- アデノウイルスⅡ型・コロナウイルス・ジステンパー・伝染性肝炎・パラインフルエンザ・パルボウイルス・レプトスピラ
ライフスタイルの変化などによりワクチンも適正なものに変更することがありますのでご相談ください。
猫の混合ワクチン
◎子猫への接種
一般的に生後8週齢前後に1回目、12週齢以降に2回目のワクチン接種を行います。
◎成猫への接種
年に1回のワクチン接種が必要です。
★当院では3種と5種ワクチンを用意しております
3種
猫ウイルス性鼻気管炎、猫カリシウイルス、猫汎白血球減少症
5種
猫ウイルス性鼻気管炎、猫カリシウイルス3種・猫汎白血球減少症
猫白血病ウイルス・猫クラミジア感染症
2. 狂犬病予防注射(犬)
狂犬病は犬だけでなく、人を含む全ての哺乳類に感染する人獣共通感染症です。
発症すると死亡率はほぼ100%で治療法もない恐ろしい感染症です。
動物において昭和32年以降発症例はありませんが、近隣諸国では狂犬病が蔓延しており、いつ国内に侵入してくるか分かりません。
日本では法律で、生後91日齢以上の犬の狂犬病予防注射(年に1度)が義務付けられておりますので、ワクチン接種を行いましょう。
- 初年度の混合ワクチン接種が済んでから、狂犬病ワクチン接種をしていきます。接種のタイミングに関してはご相談ください。
-
2年目以降は各区からのハガキを持参して来院してください(年1回)。
※ただし登録・注射済み票が交付できるのは岡山市・倉敷市だけです。 - その他の地域は、注射はできますが手続きは各自治体にてお願いいたします。
3. フィラリア予防(犬、猫、フェレット)
フィラリア症は蚊に刺されることで感染する寄生虫疾患です。最終的に心臓・肺動脈に寄生し、心不全だけでなく肺、肝臓、腎臓などにも悪影響をあたえます。
フィラリア症に感染すると
- ・咳をする
- ・息切れ、疲れやすい
- ・呼吸が苦しそう
- ・痩せてくる
- ・腹水の貯留
- ・赤い尿
等の症状が見られ、重篤化すると死に至る恐ろしい病気です。
フィラリアは予防すれば100%防げる病気です
予防を怠ると「知らない間に感染していた」ということがあります。
フィラリア予防の時期5月~11月までです。11月はなるべく11月下旬に飲むことをオススメします。
では予防薬にはどのようなものがあるのでしょうか?
飲み薬タイプ(月1回)
チュアブル(食べておいしいおやつタイプ)、錠剤(お薬タイプ)があります。
予防薬にはノミ、ダニ、内部寄生虫を同時に駆除できるものもある為、どういうタイプの飲み薬が良いか気軽にスタッフにお尋ね下さい。
スポットタイプ(月1回)
背中にたらすタイプの滴下型の予防薬で、同時にノミも予防できます。
お薬を飲ませにくい猫のフィラリア予防にも効果的です。
※フィラリア予防薬を安全にご使用いただくために・・・
フィラリアに感染した状態でフィラリア予防薬を投与するとアレルギーを起こす場合があります。 よって当院では予防前のフィラリア検査を実施することをお勧めしており、感染していないことを確認してからの予防薬処方の実施を心がけております。
4. ノミ・マダニ予防(犬、猫)
気温が上がってくると、ノミやダニといった寄生虫の活動が活発になってきます。ノミやダニは、犬や猫に大量寄生によって貧血が起こることがあります。特に子犬や子猫で重篤になることが多いです。やかゆみを引き起こすだけでなく、人間も襲います。うちの子は室内から出さないからといって、安心はできません。まれに、人間が外から持ち帰ってしまう事もあるのです。
ノミがもたらす被害
ノミアレルギー性皮膚炎
大変かゆみの強い皮膚病です。ノミの唾液成分に対するアレルギー反応で、激しいかゆみや湿疹、脱毛 などを伴う皮膚炎を示す様になります。一度アレルギーを起こした子は、その後僅かなノミ寄生にも反応してしまう様になります。
瓜実条虫(サナダムシ)
ノミの幼虫が条虫の卵を食べ、その体内で発育します。成虫になったノミをグルーミングなどで飲み込んでしまい、小腸に寄生、増殖します。この虫は最大50cm程まで成長し、白い米粒の様な片節が便や肛門周囲に付着します。時に嘔吐、下痢を起こします。
猫ひっかき病
バルトネラ ヘンセレという菌によって起こる感染症で、ノミを介して猫から猫へ移ります。猫には症状が出ませんが、感染した猫に人が噛まれたりひっかかれたりすると、リンパ節が腫れたり、発熱や頭痛を起こす事があります。
ヘモバルトネラ症(マイコプラズマ症)
猫の赤血球表面にマイコプラズマという原虫が寄生し、貧血、発熱、黄疸、元気消失などの症状を引き起こします。正確な感染経路は解っていませんが、ノミが媒介している可能性があります。
貧血
子犬や子猫の場合、大量寄生によって貧血が起こる事があります。
ダニがもたらす被害
バベシア症
バベシアという原虫が犬の赤血球に寄生し破壊する事で起こります。貧血、発熱、食欲不振、黄疸などがみられ、死に至る事もある恐ろしい病気です。 一度感染すると、完全に体からバベシア原虫を追い出す事はできません。
ライム病
ライム病はスピロヘータの一種であるボレリアの感染に起因する細菌感染症で、マダニからペットや人にも感染します。主に神経症状、発熱、食欲不振などの症状を引き起こします。
SFTS(重症熱性血小板減少症候群)
SFTSは、SFTSウイルスを持つマダニの咬傷により、人でのみ発熱、消化器症状(食欲低下、嘔気、嘔吐、下痢、腹痛)、頭痛、筋肉痛、意識障害や失語などの神経症状、リンパ節腫脹、皮下出血や下血などの出血症状が起き、重症化すると死亡することもある怖い感染症です(死亡率10%以上)。動物ではウイルス感染は確認されるものの、症状を発現するものは未だに確認されていません。
※ノミは気温が13℃以上で繁殖可能なため、寒い冬の時期でも暖かい室内では活動期として増殖します。 また秋から冬にかけて幼ダニ・若ダニが活動するため、1年を通して月1回の予防が必要です。 予防薬にはスポットタイプ(背中にたらすタイプ)と飲み薬がありますので、ご相談ください。